映画を観る その時間

父親の影響で、小さなころから映画をよく観てきた。

初めて映画館で見たのは、映画『E.T.』で、今はない長野県庁のそばにあった洋食屋さんでお気に入りのチキンソテーを食べてから出かけた。暗がりの中、無数の人間がスクリーンに映しだされた架空のものがたりを同時に観ているという不思議な空間に魅了され、これまでにたくさんの映画を観てきた。

でも、ここ10年ほどは年10本程度しか観ていない。

理由はいくつかある。
まずは地元の映画館では上映される映画に限りがあって、「これだ!」と思うものがあまり上映されない。たとえ上映しても1週間だけと短くて、あっという間に終わってしまう。
逃す理由は締め切りが優先になってしまうので、短い上映時間と上映数だと足を運ぶチャンスが得られにくい。
じゃあネットがあるでしょ? と思うのだけど、ネットで観る映画って味気ない。テレビにつなげば大画面になるし、内容が違うわけでもない。かつては毎週のように数本レンタルして観ていたのと環境は同じはずなのに、ワクワクしない。

なぜだろう。

突き詰めていくと、「足を運ぶ」「頭を悩ます」時間がないからという結論にたどり着いた。
映画館やレンタルビデオ屋さんに行くまでに映画についてさまざまな想いを膨らませるあの時間。到着してからはさらなる映画の情報を調べるあの探求。映画館を出たあとは、その世界に感情移入しすぎて日常の風景がなぜか違う場所に見えるあの余韻。レンタルビデオ屋さんから自宅までソワソワしながら帰るあの興奮がないからではないか。

そんなことを思いながら、今日もまた、Netflixで映画を観る。

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